本年度も、コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、Web開催(ライブ配信)といたしました。今回は、406名の方々に参加登録頂き、盛況のうちに無事終了することができました。ご聴講頂いた皆様をはじめ関係の皆様に厚く御礼申し上げます。これからもウェザリング技術にたずさわる皆様のお役に立つ情報を発信し続けて参りますので、引き続きご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。
スガ試験機 新宿本社(NSホール)での配信風景
開催日時 | 2022年11月25日(金) 10:00~14:35 |
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配信方法 | ライブ配信 |
テ ー マ | ウェザリング研究の成果発表と最新情報 |
後 援 | 文部科学省 |
協 賛 | (一社)軽金属製品協会(公社)高分子学会(一社)色材協会 (公社)自動車技術会 ステンレス協会(一社)繊維学会 (一財)日本ウエザリングテストセンター(一社)日本鋼構造協会 (一社)日本ゴム協会(一社)日本塗料工業会 日本プラスチック工業連盟 (一社)表面技術協会(公社)腐食防食学会 スガ試験機㈱ |
主 催 | (公財)スガウェザリング技術振興財団 |
要旨集 | 要旨集ご購入はこちら |
低温下で生じるゴムのオゾン劣化メカニズム
(第40回スガウェザリング財団賞表彰 科学技術功労賞受賞)
ゴムのオゾン劣化は典型的な化学反応であるため、低温下では一般的にオゾンクラックの発生は抑制される。しかし、オゾン劣化防止剤が配合されたゴムの場合、高温下で高い耐オゾン性が確認されたゴムであっても、低温下でオゾンクラックが発生するケースがある。低温下で特異的に生じるゴムのオゾン劣化現象、及びオゾン劣化メカニズムについて調査した結果を解説した。
圧電素子を用いた動的・静的センサによる雪崩と落石の計測
(第40回スガウェザリング財団賞表彰 技術功労賞受賞)
気象条件によっては、急斜面に積層した雪や土砂が原因で雪崩や落石を発生させることがある。このような雪崩や落石は、対策として設置された防雪柵に到達する。このフェンスが崩壊した場合は、交通が完全に遮断される。そのため、雪崩や落石の発生予測は重要であるが、その計測は難しいとされている。本講演では、この問題を解決するため、雪崩や落石による防御フェンスの破壊リスクを計測することで、危険度予測を評価する手法について解説した。
ペロブスカイト素子の光電変換素子の用途展開と熱及び放射線耐久性評価の取組
(第38回研究助成 研究成果発表)
ヨウ化鉛系ペロブスカイト化合物は、フレキシブル基板へ印刷方式で作製する高効率太陽電池への応用が注目されている。一方、これらの化合物の放射線に対する高い耐久性も明らかとなり、X線センサーならびに宇宙利用に関する研究も進んでいる。ペロブスカイト光電変換素子の研究背景から、応用に向けた課題について解説した。
有機系太陽電池の耐久性評価技術の開発
(第38回研究助成 研究成果発表)
近年、小型IT機器の電源として有機太陽電池が注目されている。有機太陽電池は低照度でも発電能力が低下しにくく、塗布工程で製造されるため小面積でもモジュール化が容易といった特徴がある反面、シリコン太陽電池に比べて電圧変化時の電流応答が遅いタイプが多い。本研究では、それぞれのデバイスの遅れに対応し、定常値を自動判別するアルゴリズムを組み込んだ評価プログラムを開発し、耐久性評価への展開も含めた検討をおこなった。
次期改正ISO 9227の技術的変更点
現在改正作業が進められているISO 9227(塩水噴霧試験)第5版について、現行の第4版から改正される技術変更点を中心に解説した。塩水噴霧試験は腐食促進試験の基本として、ISO以外にもIECやASTM,JISなどの規格にもわずかな差はあるが採用されている試験方法である。塩水噴霧試験の代表的な規格であるISO 9227の改正は、他の規格においても重要である。
自動車用外装塗装の耐候性(特別講演)
自動車用外装塗膜は自然環境下において、熱、水、紫外線の複合した環境にさらされており、非常に厳しい負荷を受けている。それらを評価するために自動車メーカーでは自然環境を解析、試験法に落としつつ、より市場相関の高い評価法を検討し続けている。本講演では自動車外装塗装の耐候性及び、過去から現在に至る評価法の進歩を解説した。